スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

そのときの精神状態(2)

2008年12月09日 23:51

さて、前回の事件に関連して、もうひとつ・・


ある報道(ワイドショー)で、

容疑者の彼は普段から、女性をつけ回すなど、

獲物を狙っていた・・・と「獲物」という

表現が頻繁に使われていましたが、

彼には「獲物」という意識はなかったと思います。


それはある意味、小さな子どもが、

何も先入観も恐れもなく、好意的な気持ちや興味で

人と接触しようとする(人に近づいていく)行動と

同じ・・・と考えて良いと思います。


たとえば、

ちょっと怖そうな人が居たとします。

普通なら(知的な精神状態が正常に働いている場合なら)

「あの人、ちょっと怖そうだから近づかないでおこう」

と思うのですが、

そうした恐れなどの知的な抑制を感じないから近づいてしまう。


つまり、「これはちょっと危険そうだ」

「良くないことだ」という感覚もそうですが、

「これを、こうしてやろう」という

獲物を狙う感覚や、計画的な企み(たくらみ)という感覚は、

知的な精神が働いて初めて成立することなのです。


ただ今回の彼の場合、そうした知的な部分に障害がある

と云われていますから、獲物や計画的というよりも、

ただ単に「無邪気な興味が、そうさせた」と云ったほうが

適格な表現だと思います。


もちろん逆に、無邪気という、悪意(悪い心がない)状態

ですから、かえって難しい・・・という部分もあります。

つまり、相手に不快感や危機感を与えている、

という自覚が無いのですから、難しいわけです・・・



そして彼の行動を、精神分析学的に考えるなら、

近づきたい、接触したい(触れたい)という、

『性の欲動』が優位に働いている状態です。


ここでいう『性の欲動』とは、人間の持つ原始的な

本能を云います。

そしてそうした欲動が強く行動に現れるのは、

精神の無意識支配が強いとき(幼少期)であるか、

(大人でも)精神が無意識に退行したときです。


たとえば、小さな子どもは、知的な意識部分がまだ

十分に発達しておらず、原始的な無意識(性の欲動)が、

行動のほとんどを支配しています。

ですから子どもは、母親との接触を多く求めたりしますが、

それはそうした『性の欲動』が働く為です。


そして知的障害と云われる彼も、小さな子どもと同じような

無意識(性の欲動)支配の強い行動だったのかな、

と推測できるように思います。


ただし、繰り返しになりますが、

『性の欲動』とは云っても、小さな子どもが

セックスなどの性に(まで)興味が向かていないのと同様に

知的障害と云われる彼も、成人が考えるような性にまで、

興味が及んでいないはずです。


つまり、今回の事件の彼の日常行動は、

誰かと温かい交流がしたい、触れて安心感を得たい

と云った、ある意味、小さな子どもが持つような

(「お母さん、ダッコ」と云った感じの)

『原初的な生理感覚』だったのではないか

と考えられるわけです。


もっとも、そうした、

「いやらしい気持ちはないのだ」という

心理状態が仮に理解できたとしても・・・

(相手が)小さな子どもなら、接近されても警戒心や、

「気持ちが悪い」という感情にはならないですけど、

身体の大きな人に、後を追われたり、声を掛けられたり

したら、それは怖いことですよね。。


しかしもちろん(誤解のないよう最後に書いておきますが)

すべての知的障害の人が、そうした性の欲動だけに

支配されてしまっているわけではないですし、

きちんと抑制して、普通に生活している人のほうが

はるかに多いわけで、ここまで書いてきたことは、

『今回、容疑者になってしまった彼』に関してのことです。


しかし、幼稚的な行動がどうしても多くなってしまうために、

知的障害の人が偏見や警戒の目で見られてしまうとすれば、

それはとても残念なことです。



もちろん「一部の奇行をしてしまう人」との関わり方と

犯罪の抑止を考えて行くことが急務なのは確かですが、

並行して(同時に)

「偏見のない社会にして行くにはどうしたら良いのか」

についても、(大変難しいテーマではありますが)

この事件を機会に真剣に取り組んでいく必要があると

強く感じました。



※ちなみに・・・

世の中に起こる性犯罪や性的奇行は、

精神の退行によって『性の欲動』が暴走してしまった

状態と考えることができます。

これは性の欲動、犯罪という話の余談として。